プログラミング

【GymCal】モーダルとモードレス

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Web開発において、UI(ユーザーインターフェース)を設計する際に、モーダル(modal)モードレス(modeless)という2つの概念がよく使われます。それぞれの違いについて、簡単に説明していきます。

モードレスとモーダルの基本的な違い

モーダルとは、ユーザーの操作を一時的に制限するウィンドウやダイアログのような「モードがある状態」のことです。

モーダルが表示されると、ユーザーはそのモーダルの操作を完了するまで、他の部分にアクセスできません。例えば、フォームの送信確認ダイアログや警告メッセージなどが典型的なモーダルの例です。

ユーザーが自由に操作を行えなくなることなどから、UI/UXの観点ではできる限りモードを設けない方が良いとされています。(モーダルなUIを多用すると、何度も操作を遮断されるストレスをユーザーに与えます)

一方、モードレスとは、ユーザーの操作を制限せず、他の操作も同時に行える「モードがない状態」のことです。

モードレスダイアログやポップアップは、アプリ全体のインタラクションを妨げないため、よりシームレスなユーザー体験を提供します。

【コラム:ラリー・テスラー】

ラリー・テスラーは「カット&ペースト」の発明者として知られるソフトウェア研究者で、モードの削減を信条にしていました。車のナンバープレートを「NOMODES」にするほどモードレスへの思いが強かったようです。

画像:https://modelessdesign.com/backdrop/335

テスラーは、テキストの編集操作(挿入、上書き、削除)を、選択されたテキストというオブジェクトを基点とする操作に統一することを発明し、その後のテキストエディタのスタンダードを作りました。

「オブジェクト指向UIデザイン」という本に紹介されていたエピソードなので、気になる方はぜひ読んでみてください。

GymCalにおけるモードレス操作

実例として、GymCalにおけるモードレス操作を紹介します。

ユーザーの操作の中断を最小限に抑え、スムーズな体験を目指しています。

通知用スナックバー

技の追加時に、操作のフィードバックを行うスナックバー通知が表示され、演技構成表に飛ぶことができます。

このスナックバー通知もモードレスで、ユーザーは通知を見ながら他の操作を続けることが可能です。
これにより、操作を中断することなく、フィードバックが提供されます。

アラート用スナックバー

同様に、制限中の技をクリックした場合にもスナックバー通知が表示され、適用中のルールに飛ぶことができます。

これにより、ユーザーは技の選択をしつつも、関連するルールをすぐに確認でき、操作の流れを中断しません。

コラム:残存するモーダル操作

ただし、GymCalにおいても一部モーダル操作は残っています。
演技構成をリセットする時に表示されるダイアログです。

リセットボタンを押した際には、確認のモーダルが表示されます。こうした場合には、慎重な確認が求められるため、モーダルが適切な選択となっています。

まとめ

モーダルとモードレスは、それぞれ異なる場面で活用され、ユーザー体験を大きく左右します。
今回はGymCalを例に、モードレス操作とモーダル操作について解説しました。

モードレスはユーザーのインタラクションをスムーズにし、より直感的な体験を提供する一方、モーダルも適切な場面では必要な要素です。

適切なバランスを取ることが、優れたUI設計の鍵となるでしょう。

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